昨年9月に発生したアルメニアとアゼルバイジャン間の紛争がロシアの仲介によって11月10日に停戦したことは、この祈祷課題でもすでに取り上げた通りだ。和平協定で、アルメニアは係争地のナゴルノ・カラバノフを手放した。その際、双方合わせて5千人以上の兵士が戦死しており、数百人の民間人が犠牲となった。
紛争が終わって1年近くたつものの、アルメニア人の不安は払拭されていないようだ。彼らは、民族的宗教的に結び付きの強いトルコとアゼルバイジャンが陸路で結ばれることを恐れている。 現にトルコは、先の紛争でアゼルバイジャンを支援した。一方、両国に挟まれているアルメニアは最近、トルコとの関係が改善されているようだが、この傾向が続くか否かが注目されている。当時、激しい砲撃で家屋が倒壊し、住人たちは避難を余儀なくされた。
これらのアルメニア人は、武力衝突に踏み切った政府に怒りをあらわにしている。ましてや若者たちの尊い命を犠牲にしたにもかかわらず、領土を手放した政府の判断にも怒りを募らせている。アルメニア教会は、避難者らのケアを続けているが、彼らの心の傷は深い。
紛争によってできた両国の傷が癒やされ、福音伝道が前進するように祈っていただきたい。
■ アルメニアの宗教人口
正教会 84・6%
プロテスタント 2・3%
カトリック 7・3%
無神論 3・7%
イスラム 1・8%