AFP通信によると、クリスマスイブに行われる礼拝が混雑するとの予測から、ドイツの当局者らは普段から教会に通っている教会員が礼拝時に座ることができるよう席を予約するように呼び掛けているという。クリスマスだけ礼拝に参加する人々に押しやられないようにするためだというが、教会指導者らは「教会に2種類の社会的階層があるような印象を与えるべきではない」と憂慮している。
同通信によれば、ドイツのキリスト教民主同盟(CDU)と自由民主党(FDP)に所属する政治家らが、大衆紙「ビルト」で、教会に定期的に出席する教会員がクリスマス礼拝で座ることが出来ないのは不公平だと主張。CDUの幹部は、「24日は教会税を払っている人々だけが礼拝を行うことを支持する」などと語った。
ドイツでは、宗教をキリスト教だと申告すると、所得税とともに所得税の1割弱が「教会税」として徴収される。教会はこの教会税を運営に当てており、牧師や司祭は「公務員」扱い。しかし、最近では国内でキリスト教徒が減少し、このため教会税も集まりづらく、教会が資金難に陥っていることが伝えられている。
総額88億ユーロだった2000年の教会収入は、04年には70億ユーロまで減った。信徒数も1990年では2800万人だったのが、カトリックで約200万人、プロテスタントで約4000万人減少している。
同通信によれば、ベルリンにあるプロテスタント教会では、日曜日の礼拝者数は通常は約1万7000人だが、昨年はクリスマス礼拝に24万6000人が出席したという。