イスラムへの冒とくによって重い刑事罰が科せられる前近代的な悪法「冒とく法」によって、キリスト信者ら多数の冤罪被害者を出して国際的な人権問題にもなっているパキスタンだが、キリスト教徒の人口推移は、この20年減少しているようだ。
途上国の宣教をサポートする米団体FMIによると、1998年から2017年のおよそ20年間にかけて、パキスタン人口に占めるキリスト教徒の割合は、1・59%から1・27%にまで減少した(当課題の数値とは若干異なる)。
FMIのネヘミヤ氏は、この減少傾向は、キリスト教徒に対する厳しい迫害ゆえだという。
同氏は「彼らは、家族の安全と安心を求めて、パキスタンを離れます。過去数年間、パキスタンでのキリスト教徒に対する迫害や困難が急増しているからです。パキスタンの信者の中には、タイやマレーシアなど、近隣国に亡命する者もあります。しかし、彼らが出国しようとすると、パキスタン当局は空港で彼らを拘束し、出国させないのです」と述べた。
ネヘミヤ氏は、教父の言葉を引用して「“殉教者の血は教会の種子となる”と言われますが、なぜパキスタンではそれが起こらないのでしょうか。もちろん私は、教会成長の数的要素を理解していますが、成長には“信仰”と“強靭(きょうじん)さ”という数では表れない要素もあるのではないでしょうか。私は長年パキスタンの兄姉を見てきましたが、特にこの10年、彼らの信仰は非常に高まっています。日に日に彼らの信仰は強くなっているのです」と述べた。
マグマは地下の見えない所で圧力が高まり、やがて見える場所に噴火として現れる。パキスタンの霊的状況もそれに等しいのだろう。パキスタンの信者が、迫害のるつぼで、その信仰が真に純化され、国中を巻き込む霊的噴火に至る大覚醒にまで及ぶよう、祈っていただきたい。
■ パキスタンの宗教人口
イスラム 95・8%
プロテスタント 1・8%
カトリック 0・8%
ヒンズー 1・8%