4月20日、反乱軍との戦闘の最前線を訪れていたアフリカ・チャド共和国の大統領イドリス・デビ氏が殺害された。デビ氏は、過去30年チャドの大統領を務めていた。軍は彼の息子を暫定大統領に任命したが、チャドの憲法では首相が後任となると定められている。
一方、反乱軍は首都に向けて前進を続けている。デビ大統領はキリスト教徒を厚遇していたが、今チャドのキリスト教徒は緊張を強いられている。なぜなら、反乱軍がキリスト教徒をどのように扱うのか分からないからだ。国はデビ大統領のもとで平和であったが、今後の見通しは不透明だ。過去にはキリスト教徒とイスラム教徒の間で内戦が起きたこともあり、多くの人が、チャドがかつてのスーダンのようなイスラム教国になることを不安視していた。
大統領の死によって、この地域のテロ対策に支障をきたす可能性がある。西はボコ・ハラムに囲まれ、東には内戦のスーダンがあり、北にはリビアがあるチャドだが、混乱の絶えない中央アフリカの中で、チャドは安定した地域だった。
チャドの兄姉らは、デビ大統領亡き後の不安定な状況の中で主に仕えている。大統領の死去による混乱が1日も早く解消し、兄姉らに主の知恵と守りが与えられるように祈っていただきたい。
■ チャドの宗教人口
イスラム 52・8%
プロテスタント 10・4%
カトリック 21・3%
土着の宗教 7・7%