世界キリスト教フォーラム(GCF)の代表者らは8日から11日まで、インドの首都ニュー・デリーで会議を開き、それぞれのキリスト者が「信仰における共通の道のり」にあることを確認する声明を発表した。
会議は、聖公会、ローマ・カトリック、バプテスト派、改革派、正教会、ペンテコステ派、福音派など様々な教派の代表者ら約50人が参加。2011年末から2012年初頭に予定している大型会議開催までの今後3年間の活動について、また宣教や各種対話、貧困や社会正義の問題について共通の土台を模索することを目的に、様々な議論が交わされた。
発表された声明では、「信仰の道のり、礼拝、議論を共有する中で、また時を同じくする過程で、我々はキリストにある互いにを理解する喜び、あるいはキリストの中で新しくより親密な関係へと呼ばれている喜びを経験した」と述べ、代表らは各教派間の信頼関係がより前進したとの認識を示した。
同フォーラムは、90年代に「エキュメニカル運動はWCC(=世界教会協議会)の枠に収まる運動ではない」との認識により、当時のWCC総幹事であったコンラード・ライザー氏によって提案され始まった。
昨年11月にはケニアのリムルで大型の会議が開かれ、世界72カ国から様々な教派のキリスト教指導者240人が参加した。4日間にわたった会議では最後に、「一致こそ、神から聖霊の働きを通して与えられた最初にして最大の贈り物であることを認め、キリスト者同士のより良い理解と協力を推し進め、またそれぞれのアイデンティティ、伝統、賜物を尊重し、支持し合うことが我々の使命である」とする共同声明を発表した。
今回ニュー・デリーで発表された声明では、「たとえ、我々が問題解決のための主導的存在にならないとしても、我々はこのフォーラムによる過程が、困難な問題へ取り組みとなり、キリストの体の内にあってどこかでその関係性を取り成すものとなることを喜ぶ。さらに、我々はこの信仰の分かち合いに基づく出会いという経験によって得られた霊感が、より広く分かち合われることを祈る」と、教派を超えて話し合う同フォーラムの存在価値を確認した。
また声明は、キリスト者が「関係を妨げている諸問題についてより深く直視することを恐れるべきではなく、相互の信頼関係の拡大が、我々により新しい可能性を開いてくれることに気づき続けていくべきだ」と積極的な対話の重要性を示し、最後は、インド東部のオリッサ州で、ヒンドゥー教過激派らによる迫害に苦しむキリスト者への祈りで括られた。