【CJC=東京】米聖公会イリノイ州クインシー教区が11月8日の年次総会で同派離脱を決議した。聖書や同性愛などについて神学上保守的な教区の離脱が、カリフォルニア州フレスノのサンウォーキン教区とピッツバーグ教区に続きこれで3教区になった。さらにテキサス州フォートワース教区も続くものと見られる。キャサリン・ジェファート=ショリ総裁主教は8日「離脱を嘆き悲しむ」との声明を発表した。
離脱を決めた3教区は、アルゼンチンに本拠を置く『サザンコーン(南半球)管区』の管下に入り、世界聖公会共同体(信徒7700万人)との交わりは維持することを図っている。
米聖公会側は、残留を望む教区民と教区の再編成を進めているが、数百万ドル(約数億円)に上る教区の資産をめぐって複雑な法廷闘争がサンウォーキン教区ではすでに始まっている。
米聖公会220万人の多くは、神学的な違いでの離脱を考えてはいないが、保守派指導者の中には、もう留まることができず、他国の同じ主張の共同体と関係を築くまでに進んだもの。
AP通信によると、ナイジェリア聖公会は米バージニア州に『北米アングリカン集会』と言う分離教区の連合体を結成した。離脱したピッツバーグ教区のロバート・ダンカン主教は、米聖公会とは別に、保守派による北米管区の結成に動いている。