モーセはモアブの草原からネボ山、エリコに向かい合わせのピスガの頂に登った。…主は彼に仰せられた。「わたしが、アブラハム、イサク、ヤコブに、『あなたの子孫に与えよう』と言って誓った地はこれである。わたしはこれをあなたの目に見せたが、あなたはそこへ渡って行くことはできない。」こうして、主の命令によって、主のしもべモーセは、モアブの地のその所で死んだ。…モーセが死んだときは百二十歳であったが、彼の目はかすまず、気力も衰えていなかった。(申命記34:1~7)
9月21日は敬老の日。教会でも高齢の兄弟姉妹方のさらに健やかであることを祈っております。日本は毎年平均寿命を更新し続けていますが、単に長く生きることが幸せなのではありません。命の長短ではなく、その命の中に神の恵みと栄光を現す賛美、喜びがあふれて祝福されていることが大切なのです。また、命の在り方は、若い兄弟姉妹への模範であり、先輩方の歩みから多くのものを学び、その生き方に倣い、喜びを深めることができるのです。
聖書の人物の中で、長寿を祝うこの日にふさわしい人物として、このモーセの箇所が与えられました。4つのポイントをおさえながら、私たちはモーセのように目もかすまず健康で気力の充実した人生を歩みたいと告白していきたいと思います。
1. 神のご計画に生きるなら必ず祝福される
私たちの人生には、困難や試練があっても神が共におられるから大丈夫だと、モーセを見習って告白しましょう。モーセは旧約を代表する人物ですが、彼の人生は大変な試練の連続でした。誕生して間もなくナイル川に捨てられるという数奇な人生が始まり、神のご計画によりエジプトの王女に拾われ、王宮で育ちます。しかし40歳になったとき、同胞のヘブル人がエジプト人の奴隷使いに打たれているのを見かねて、エジプト人を殺してしまいます。その結果、殺人者として追われることになり、王宮から追放され、世捨て人として荒野で隠れて生きることになります。彼の人生にはさまざまなことが繰り返し起こりました。
人間的にはとんでもない身の上話になるようないろいろな出来事が起こったとしても、神のご計画の中で生きるなら、その人の人生は必ず祝福されます。あなたも神に選ばれ、神の導きと神のご計画の中に置かれていることを感謝しましょう。何があっても神に選ばれた者として私たちの人生は必ず祝福されていくのです。
2. 神の祝福に年齢は関係ない
モーセが神のご計画のために働き出したのは、何と80歳の時でした。たとえ人生の後半で神に出会ったとしても、私たちの人生は必ず祝福されます。モーセは、神の呼び掛けに自身が老齢であることを告げました。しかし神の命令、導きにより、イスラエルの偉大な指導者となっていきました。あなたが高齢になってから神に出会ったとしても、その時からクリスチャンとしての使命が与えられます。私たちは神が召してくださるまで生かしていただけるのです。
3. 人生に軸があるから揺るがない
モーセは40歳まではエジプト人として、80歳までは荒野の世捨て人として生きました。しかし神に選ばれたとき、彼は神のしもべとして神のご計画に用いられたのです。私たちの人生に目標、目的が与えられ何歳で救われても大丈夫! 私たちのアイデンティティーがクリスチャンであるという人生の軸が与えられているからです。このことを感謝しましょう。
4. 与えられた人生を最期まで精いっぱい生きる
与えられた人生を最期の一瞬までモーセのように心身共に壮健に歩ませていただけることを願いましょう。体力は弱ったとしても心は信仰によって生き生きとしていたいと思います。老若男女、共にモーセの生き方を目標にして見習ってまいりましょう。
◇