イエス・キリストの遺体を包んだと信じられている「トリノの聖骸布(せいがいふ)」が今年12月、イタリアで一般公開される。聖骸布の公開は2015年以来、5年ぶり。バチカン(ローマ教皇庁)公営のバチカン・ニュース(英語)が伝えた。
聖骸布は、超教派の男子修道会「テゼ共同体」がイタリア北部の都市トリノで、2020年12月28日~21年1月1日に欧州青年大会を開催するのに合わせて公開される。昨年末にポーランドで開催された同大会でトリノが次期開催地として選ばれたことで、トリノのチェザレ・ノシリア大司教が発表した。
前回公開されたのは15年4月19日~6月24日の約2カ月間で、ローマ教皇フランシスコも訪れた。またその前の10年に公開された際には、当時教皇だった先代のベネディクト16世も訪問している。
聖骸布は縦4・36メートル、横1・1メートルの亜麻布。カトリック教会で最も神聖視されるキリストの受難に関わる聖遺物の一つと数えられている。しかし、キリストの遺体を包んだ布だと信じられている一方、その真偽については多くの議論があり、カトリック教会としては真偽について公式な見解は出していない。
聖骸布のバチカン公認のレプリカは15年、日本のカトリック夙川(しゅくがわ)教会(兵庫県西宮市)で公開されたことがある。公開時には、半世紀以上にわたって聖骸布を研究してきたガエタノ・コンプリ神父が講演し、その歴史と概要を解説した。(関連記事:イエスを包んだ亜麻布!? 教会でバチカン公認「トリノの聖骸布」レプリカ公開 聖骸布研究65年の神父が講演)