福岡市で2003年、一家4人を殺害し、強盗殺人などの罪で11年に死刑が確定していた中国籍の元専門学校生、魏巍(ウェイ・ウェイ)死刑囚(40)の刑が26日午前、福岡拘置所で執行された。死刑執行は8月以来で、10月31日に就任した森雅子法相の下では初めて。複数の国内メディアが伝えた。
時事通信によると、森氏が23日に執行命令書に署名した。26日の死刑執行により、拘置所で収容中の確定死刑囚は111人となった。
魏死刑囚は、中国籍の元留学生2人と共謀し、03年6月20日未明、福岡市で衣料品販売業を営む男性(当時41)宅に強盗目的で侵入。男性の妻(同40)、長男(同11)、長女(同8)を殺害し、首を絞めて仮死状態にした男性と共に博多湾に遺棄したとされている。共犯者の2人は中国で拘束され、1人は05年に死刑が執行され、もう1人は無期懲役が確定していた。
死刑制度をめぐっては、カトリック教会が反対の姿勢を強く示している。ローマ教皇フランシスコが昨年8月、死刑に関するカテキズムの改訂を承認。以前は「不当な侵犯者から効果的に人命を守ることが可能な唯一の道であるならば、死刑を科すことも排除されていません」としていたが、「死刑は許容できません」と全面的に認めない立場へ変更した。8月に2人の死刑が執行された際も、日本カトリック正義と平和協議会が、安倍晋三首相と山下貴司法相(当時)宛てに抗議声明を発表していた。