カンタベリー大主教ジャスティン・ウェルビーは8月29日、4月のイースター(復活祭)に発生したスリランカの連続爆破テロ事件の現場の一つ、同国西部ネゴンボの聖セバスチャン教会を訪れ、遺族や生存者らと面会した。この事件では、教会やホテルなど8カ所が標的となり、260人余りの死者を出した。教会を訪れたウェルビー氏は「深く心を動かされた」と語った。
「皆さんは一人ではありません。世界中のクリスチャンは、皆さんを忘れることはありません。私たちは皆さんのために祈ります。イエス様は皆さんと共におられます」。ウェルビー氏は同教会を訪問後、ツイッターにこう投稿した。
ウェルビー氏は、犠牲者の名前を刻んだ記念碑も訪れた。犠牲者の中には、親友と共に同教会を訪れていたイスラム教徒の若い女性もいた。
ウェルビー氏はその後、テロの標的となったホテルの1つであるシナモン・グランド・コロンボも訪れた。
ツイッターの別の投稿では、スリランカのために祈るようクリスチャンたちに訴えた。「このような勇気ある方々と同席できたことは圧巻です。スリランカの皆さんの平和な未来のために共にお祈りください」
4月21日に発生したこの自爆テロ事件では、計263人が犠牲となった。そのうちの100人余りは、カトリック教会である聖セバスチャン教会でイースターのミサに出席していた人たちだった。
事件は、「イスラム国」(IS)とつながりのあるスリランカの過激派組織によって実行された。
聖セバスチャン教会で説教を取り次いだウェルビー氏は、あらゆる教派のクリスチャンに共通の信仰について語った。
「彼ら(テロリスト)がやって来て私たちを殺そうとするとき、『お前は英国国教会か、それともペンテコステ派か、あるいは長老派かカトリックか』と尋ねるでしょうか。そんなことはありません。尋ねるのはクリスチャンかどうかだけです」
ウェルビー氏はまた、スリランカのクリスチャンの勇気と愛に敬意を表した。
「皆さんの前で語れる言葉は、私にはありません。私にあるのは、スリランカのクリスチャンに対する感謝の言葉だけです」
「十字架の上で『父よ、彼らをお赦(ゆる)しください』と祈ったキリストは、皆さんの怒りや痛み、悲しみを知っておられます。そして私たちは、キリストの復活を通して、その怒りや悲しみや痛みが希望に変えられることを知っています」
ウェルビー氏はスリランカに3日間滞在した後、31日にはインドに渡った。訪問は合同教会である北インド教会と南インド教会の招待によるもので、9月11日までの滞在期間中、同国内の各都市を訪れる予定。