「ローマに消えた男」で国内外の数多くの賞を受賞したロベルト・アンドー監督の最新作「Le confessioni(原題)」(2016年、イタリア)が、邦題「修道士は沈黙する」として、3月17日から全国で順次公開される。
映画の舞台は、バルト海に面したドイツのリゾート地。先進国首脳会議(G8)に参加する予定の8カ国の大臣が会する高級ホテルに、ロックスター、絵本作家、そしてイタリア人修道士ロベルト・サルスの3人が、国際通貨基金(IMF)のダニエル・ロシェ専務理事の誕生日を祝う夕食会のゲストとして招かれる。
夕食後、サルスはロシェから「告解(ゆるしの秘跡)をしたい」と告げられる。しかし翌朝、ビニール袋をかぶったロシェの死体が発見されるのだった。
容疑者として真っ先に浮上したサルスだが、カトリックの戒律に従って、告解の内容を明かすことなく、沈黙を続ける。自殺か、他殺か。間近に迫るマスコミ向けの記者会見。ロシェの告解の内容をめぐり、権力者たちのパワーゲームに巻き込まれたサルスは自らの思いを語り始める。果たして謎の死の真相は? ロシェがサルスに託したものとは?
クラシックやポップスを織り交ぜ、権力批判を横溢(おういつ)しつつも、全体のトーンはシリアスにまとめられたサスペンス。「物質主義VS精神主義」の構図を核に、知的でスタイリッシュな異色ミステリーが展開されていく。
サルスを演じるのは、「グレート・ビューティー / 追憶のローマ」のトニ・セルヴィッロ。アンドー監督とは「ローマに消えた男」以来2度目のタッグとなる。キーパーソンである議会の重要人物ロシェは、「八日目」でカンヌ国際映画祭男優賞に輝いたフランスの名優ダニエル・オートュイユ。ゲストの絵本作家クレール・セスは、「ワンダーウーマン」の主人公ダイアナの母親役を演じたデンマーク出身の女優コニー・ニールセンが演じる。
3月17日(土)から、Bunkamura ル・シネマ(東京)ほか、愛知、大阪、兵庫など全国の劇場で全国順次ロードショー。
■ 映画「修道士は沈黙する」予告編