死海文書が発見されて8日でちょうど60周年を迎えた。これを記念したセミナーがイスラエルの首都エルサレムで行われ、紀元前1世紀のものとされる死海文書内に「メシアの復活」に関する文言が記されているとの解釈をヘブライ大学教授が主張。この解釈が正しければ、十字架の死後3日目にあったキリストの復活が、ユダヤ教の伝統的教義の流れを汲むものであることを裏付ける一つの証拠になりえそうだ。AFP通信が伝えた。
同通信によると、死海文書に「メシアの復活」に関する言及があると主張しているのは同大のイスラエル・クノール教授(聖書学)。クノール教授は、死海文書には87行以上で構成される「大天使ガブリエルの啓示」が記されており、その大半は風化して消えかかっているが、80行目には「3日間」という文字と「生きる」という動詞の一部が見え、その解釈として「メシアの死から3日後に大天使ガブリエルがつかわされ、メシアをよみがえらせた」と主張している。
ただ、この説に関しては懐疑的な専門家も多いという。古代言語の専門家は、死海文書の消えかかった文字が「生きる」と読めないことはないとしつつも、クノール教授の説は受け入れられないと否定。イスラエルのある考古学者は、死海文書が発見された状況と場所が明らかにされておらず、説の正当性を裏付けるためにはそれらが必要だと主張している。