日本国際飢餓対策機構(JIFH)は1月、子ども支援制度「世界里親会」の名称を「チャイルドサポーター」に変更した。これまで取り組んできた子どもを対象とした教育支援を、より広範囲なものに捉え直し、将来を担う子どもたちの土台である地域社会の変革・貧困脱却を新たな目標に掲げて活動を進める。
1987年に始まった世界里親会は、1人あるいはグループがチャイルドサポーターとなって1人の子どもを支援する仕組み。フィリピン、バングラデシュ、カンボジア、ウガンダ、ボリビアなど10カ国で、各国の飢餓対策機構(FH)や現地の協力団体と共に、貧しさ故に学校に通うことができない子どもの支援を続けてきた。学用品や制服、給食、定期健診などの機会を提供し、学校に通い続けるためのサポートをした子どもの数は、これまでに1万人以上に上る。
また、通学を阻む飢餓・貧困の悪循環を断ち切るために、収入向上の取り組み、識字教育や職業訓練、貯蓄グループを作っての低金利での貸し出し、共同事業の運営支援などにも取り組んできた。
こうしたこれまでの活動を通して、子どもを取り巻く環境全体がより良くなることが、貧困の根本的な解決策であることを学んだJIFHは、「子どもが学校に行けるように」という従来のゴールを「子どもを取り巻く環境改善を通して、健やかな成長を支援する」というより広範囲なものに捉え直し、将来を担う子どもたちの土台である地域社会の変革・貧困脱却に向けての活動を進めている。
子どもから大人までを包括する地域全体の変革を目指している活動の現状と、支援者との関わりをふさわしく表現するため、養育を想起させる「里親」ではなく、応援を意味する「サポーター」という言葉を用いることにした。新たな名称で新たな目標に向かって活動するJIFHは、変わらない理解とますますの支援を呼び掛けている。
詳細・問い合わせは、チャイルドサポーター事務局(電話:072・920・2226、専用ホームページ)まで。