イタリア・バロックの宗教曲を中心に演奏を行うエクス・ノーヴォ室内合唱団の演奏会「聖アンデレ使徒の夕べの祈り~修道女として生きた作曲家の肖像~」が27日(日)、東京都港区のJTアートホール アフィニスで開催される。信仰に身をささげた女流作曲家イザベッラ・レオナルダ(1620~1704)による作品「コンチェルタート様式の詩編集」を構成し演奏される。日本初の演奏会。
イザベッラ・レオナルダは、イタリア西部に位置するピエモンテ州の町ノヴァーラで貴族の娘として生まれ、16歳の時にウルスラ修道会へ入り、83歳の生涯を終えるまで修道女として過ごし、「ノヴァ―ラのミューズ」と呼ばれていた。レオナルダが残した教会音楽は、レオナルダの信仰の証しでもあり、現在では20もの作品が出版されたことが確認されている。演奏会で指揮を務める福島康晴氏は、イタリアでは16世紀から女性作曲家による作品の出版が多く見られるが、その中でもレオナルダの出版数は群を抜いていると話す。
演奏会で取り上げる作品「コンチェルタート様式の詩編集」は、なんとレオナルダが78歳の時に出版されたもので、今回は、11月30日を祝日とする聖アンデレ使徒の夕べの祈り(晩課=ヴェスプロ)という設定で構成されている。詩篇をはさむアンティーフォナには単線律聖歌と共に、マウリツィオ・カッツァーティ(1618~78) が作曲した独唱と、通奏低音のための聖アンデレ使徒の祝日のためのアンティーフォナが歌われる。
演奏するエクス・ノーヴォ室内合唱団は「初めから作り直す EX NOVO (ラテン語)」をコンセプトに掲げ、2014年に指揮者の福島氏が立ち上げた日本初のプロフェッショナルなイタリア・バロック専門合唱団。レパートリーとするのは、ヨーロッパでは頻繁に演奏されながらも日本ではあまり取り上げられない作品や、ヨーロッパの古文書館に収められたままの作品、あるいは、演奏法を再考する必要があると思われる作品。これらの作品のオリジナル印刷譜か手稿譜を研究し、当時の音楽理論書も参照しながら演奏を構築している。
イザベッラ・レオナルダの作品が、集中的に日本で演奏されることはこれまでなく、また、16世紀以降のイタリアで活躍した女性作曲家の楽曲についても、これまで日本ではあまり紹介されてこなかった。こういった意味においても今回の演奏会が、貴重なコンサートになることは間違いない。
日時:11月27日(日)午後2時開演(午後1時半開場)
場所:JTアートホール アフィニス(東京都港区虎ノ門2-2-1 JTビル2F)
前売り券:4000 円 当日券:4500 円
学生券:2000 円(要予約・事務局のみ取り扱い)
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