強姦など容疑で国際指名手配されていた韓国のカルト団体「摂理」の教祖・鄭明析(チョン・ミョンソク)被告(63)が4日、ソウル地裁に初めて出廷し、女性信者への暴行について「犯行はしていない」と起訴事実を否認した。
フジテレビ系列のニュースサイト「フジニュースネットワーク」によれば、鄭被告は職業を問われて「摂理の会長」と答えたあと、女性信者への暴行について「女性たちと会ったことはあるが、犯行はしていない」と、疑いが持たれている強姦致傷罪を否認。国際手配されながらも逃亡していたことについては、「宗教活動をしていた」と弁明した。
一方、中国公安当局に拘束されていたときは、「韓国への移送後に拷問を受けるかもしれないと思い、逆さまにつられる練習や、絶食する練習、大量に水を飲む練習などをしていた」と供述した。
国際刑事警察機構(ICPO)によって01年から国際指名手配されていた鄭被告は昨年5月に北京市内で拘束。引渡しに必要となる最高人民法院(最高裁)と中国政府からの承認が今年初めに出され、同2月に韓国へ送還された。到着後には検察当局によってすぐに逮捕された。
鄭被告は潜伏していた中国でも婦女暴行事件を起こし同国内で指名手配を受けており、日本では昨年1月に同被告の側近女性幹部に対する入管難民法違反(資格外活動)の容疑で、千葉市内の同女性幹部宅や摂理の関連施設などが家宅捜索された。
同サイトによれば、今後は鄭被告に暴行を受けた複数の被害者への尋問が行われるため、審理は長期化する見通し。