新約聖書のヨハネの黙示録の預言が実現していく世界を描いた小説「レフト・ビハインド(LEFT BEHIND)」シリーズの共著者として知られる米国人牧師、ティム・ラヘイ氏が25日、脳卒中のため死去した。90歳だった。
遺族はラヘイ氏のミニストリーのフェイスブックに声明を掲載。ラヘイ氏が脳卒中を発症し、25日に「この地上の歩みを卒業し、天国へ行った」と記した。
ラヘイ氏は、米サンディエゴ病院で治療を受け、祈りの要請が各方面になされていたが、そのまま回復することなく、天へと召されていった。娘のリンダ氏は、父親の死に先立って、「父は回復しないでしょう。もうすぐ地上の歩みを卒業して、天国へ行くでしょう」とつづっていた。
黙示的著作「レフト・ビハインド」シリーズの共著者であるジェリー・ジェンキンズ氏はラヘイ氏を追悼して、「牧師の心」を持った「霊的巨人」だったとたたえた。
「ラヘイ氏は今、彼がいつもそこにいたいと望んでいたところにいるのです。それで、私は感動していますが、彼の死は私の魂に、もう一度彼に会うまで満たされない喪失感を残しています」
米クリスチャニティー・トゥデイ誌によると、「レフト・ビハインド」は20年余り前に小説として出版され、300週間も米ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーリストに載るほど、爆発的な人気を記録した。
同シリーズは、世界とそこに残された(レフト・ビハインド)者たちを混沌に陥らせる、聖書の預言に記された「携挙」が起こった様子を描いていく。関連書籍も含め全16巻から成り、カーク・キャメロン主演で映画化され、2014年には、ニコラス・ケイジ主演で新たな映画も製作された。
ラヘイ氏はまた、中絶反対の立場のノンフィクション作家で、セックスや結婚、同性愛、聖書の預言、死後の生活、十字架の力を含む幅広い問題に関する著作を出版してきた。
ラヘイ氏のミニストリーによると、ラヘイ氏は、キリスト教主義の高校2校を創立し、現在のサンディエゴ・クリスチャン大学を創設した。
米タイム誌は05年、ラヘイ氏と「コンサーンド・ウィメン・フォー・アメリカ」の創立者である妻ビバリー氏を、「クリスチャン・パワーカップル」とし、米国における最も影響力のある福音主義者25人の中に名前を挙げた。
ラヘイ氏の遺族は、妻ビバリー氏と娘リンダ氏である。