カザフスタンの油田地方で、キリスト教徒3人が、法廷審問を経ず、自己弁護する機会も与えられずに、礼拝するために集まったことで罰金を科せられた。昨年、警察が無認可宗教団体に対する新しい権限を獲得して以来、初めての事例とみられている。
複数科された罰金のうち1つはその後取り消されたものの、カザフスタンの宗教、信仰の自由が深刻な危機にひんしているのではないかと、人々の間で恐怖が広がっている。
パプテスト派の男性信者はキリスト教系の「フォ―ラム18ニュースサービス」に対し、「以前、警察によるこのような即決の罰金が私たちに対して用いられるということはありませんでした」と語った。この信者の話によると、警察は単純に権限があるという理由だけで、罰金を科したという。「警察が突然こういうことを始めた理由を、誰も私たちに説明しませんでした」
カザフスタンは無認可の宗教を実践することに厳格な制限を導入し、2012年には、認可宗教の数を約50から17に減らした。
最も影響を受けたのは、イスラム教徒、プロテスタントのキリスト教徒、エホバの証人。彼らは、国が許可しなかった場所で、国が認めなかった宗教の印刷物を人々に差し出すことによって、あるいは国の許可なしに他人に自身の信仰について話すことによって、あるいは国の許可なしに礼拝のために集まることによって罰せられる可能性がある。15年には、初期手続きなしに即決の罰金を科す権限が警察に与えられた。
カザフスタンの宗教の自由に対する脅威は、農地改革に関しての緊張が段階的に高まってゆく中で訪れた。
英BBCによると、カザフスタンの商業都市アルマトイで18日、イスラム過激派が警察官3人と一般人2人を銃撃し殺害する事件があった。ヌルスルタン・ナザルバエフ大統領は、この銃撃事件はテロ行為だとしている。拘束されたルスラン・クリクバイエフ容疑者(26)は、服役中にイスラム厳格派「サラフィー主義」の過激派思想の影響を受けたと考えられている。