基督聖協団は3月30日、千葉市の同教団本部で創立50周年記念祝賀式典を開催した。午前の合同礼拝には、全国から集まった約250人もの教職と信徒らが出席。午後の式典には、日本基督教団総務幹事の愛澤豊重氏、基督兄弟団小田原教会牧師の藤波勝正氏が来賓として参加した。同教団理事長の田中時雄氏が合同礼拝で説教し、「(信仰の)諸先輩方の成した大きな働きを忘れてはならない」と同教団の50年の歩みを振り返りながら、「しかし、基督聖協団の最大の功労者は、主イエス・キリストご自身であることを覚えたい」とすべての栄光を主に帰した。
同教団は今年6月に創立から50年を迎える。1946年、ホーリネス教会の創始者である中田重治氏(1870〜1939年)の流れを汲む牧師たちが中心となり基督兄弟団を設立。その中でさらに宣教の志を同じくする牧師、信徒らが集まり、森五郎氏を主管者に「基督聖協団」という新しい教団を結成した。基督兄弟団、基督聖協団はその後、ともに日本の福音派における中核的な教団へと発展した。
来賓の藤波氏は、「(50周年を)心からお祝い申し上げたい」と50年前に袂を分かった同教団を、基督兄弟団を代表して祝福した。12年前に同じく基督兄弟団の50周年の喜びをともに分かち合えたことの、心からの感謝の意を伝え、「愛があり、寛容があり、一致があり、よい実を結んでいるからこそ和解の実りの大きさを感じる」と両教団の和解を強調した。藤波氏のあいさつに田中氏は、両教団が超教派の働きの中で協力し合ったこれまでの実績に言及しながら、今後も更に交流を深めたいとの思いを語った。
愛澤氏は、初代主管者の森氏が教団の名前にあえて「協」の字を付けたことに触れ、「『協』、まさにこの言葉に力がある。十字架を見上げながら、力をあわせていく。一つひとつの教会がそれぞれの力を、特質を力強く日本に表していく。この『協』の字にこそ、(日本の教会の)果たさなければならない使命がある」と述べた。
合同礼拝で田中氏は、創立50周年にちなんで、旧約聖書で50年に一度の解放の年とされた「ヨベルの年」の意味と、復活祭から50日後に祝うペンテコステの祝福について説教した。
田中氏は、ヨベルの年が聖別された年であることから、50周年を迎えた教団の一人ひとりがもう一度、ローマ人への手紙12章1節にあるように「自分自身を神の前にささげ」て聖別され、「新たに一致して進んでいきたい」と語った。
また、ヨベルの「解放」の意味を強調し、エジプトの支配からイスラエルの民が解放されたごとく、「(教団の状況を)変えていこうじゃないか、というチャレンジをいただいている」と今後の宣教への意気込みを語った。
さらに、「帰るべきところは聖書の御言葉」と、聖書信仰の立場を今後も堅く守ることを確認し、「聖霊により頼んで、(働きを)まっとうさせていただきたい」と使徒の働き2章42〜45節からペンテコステの祝福を説いた。
田中氏は、「栄光を受けるにふさわしい方でさえ、すべての栄光を父なる神のものとした」とヨハネの福音書8章54節からイエスの信仰の姿を説き、「これまで多くの先生方の働き、支えがあったが、すべての栄光を神にとっていただいて進ませていただきたい」と述べた。