東京・歌舞伎町の「新宿ゴールデン街」で12日に発生した火事で、警視庁四谷署は13日、火元とみられる建物に侵入したとして、無職・春名弘容疑者(66)=住所不定=を建造物侵入容疑で逮捕した。春名容疑者はホームレスとみられ、容疑を認めているという。四谷署は火事との関連を調べている。複数の国内メディアが伝えた。
火元とみられているのは東京都新宿区歌舞伎町1丁目にある木造2階建ての建物で、朝日新聞や日本経済新聞によると、2階部分が空き店舗になっていた。12日は、朝から火事が発生する約1時間前の午後0時半ごろまで、内装業者4人が2階の空き店舗に改装工事のために出入りしていたが、その後、内装業者は無施錠で現場を離れていたという。
周辺の防犯カメラには、午後1時18分ごろ、春名容疑者が1階の入り口から建物内に入って、2階の空き店舗を訪れ、その約5分後に立ち去る様子が映っていたという。出火は春名容疑者が立ち去った直後の午後1時半ごろとみられており、四谷署は春名容疑者の建物内への侵入と火事との関連を調べている。
テレビ朝日によると、春名容疑者は同日午後4時ごろ、現場近くの路上で「ホースにつまずいて倒れた」と消防に申し出たため、警察がけががないことを確認し、職務質問していた。この際、春名容疑者は酒に酔っていたとみられているという。
警察はこの際、春名容疑者の身柄を解放していたが、その後調べで、防犯カメラの映像に映っていた人物と似ていたことから、春名容疑者を捜査。現場から数百メートル離れた場所で13日午前、春名容疑者を見つけ、火元の建物に入ったことを認めたため、逮捕したという。
防犯カメラには、現場近くの複数の飲食店のドアノブを回し、扉の施錠を確認しているような春名容疑者の姿が映っていたという。