ルルド Lourdes カトリック最大の聖地、巡礼者の町
2013年10月31日(木曜日)訪問
ルルドはフランス南西部、スペイン国境のピレネー山脈のふもとにあるカトリック最大の聖地、巡礼者の町。トゥールーズから列車Intercitesで1時間45分。
間違えて「あの有名な洞窟はどこだろう?」と場所が分からないまま、坂を上って行く家族連れの後についていく。小高い山の参道に沿ってあちこちに十字架のイエスや聖書の場面が造られている。
足を止めて静かに祈る。また歩き出す。先を歩く人の持っている水を入れるポリタンクは空のままだ。なかなか洞窟に着かない。頂上まで来た。ここは十字架の道。
山を下りる。ろうそくを灯す場所にチラチラとたくさんの火が見える。沐浴場もある。ぐるっと一回りして「無原罪のお宿り聖堂」のある場所に戻ってきた。シーズンはすでに終わり初冬のこの時期、辺りは閑散としている。
夜行われるろうそく行列も終了。ベッドに寝たままの人、車いすの人、それを押す看護師さん、シスターなど大勢の行列が進み、祈りと賛美の歌声が響くろうそく行列を見たかった。
高くそびえる大聖堂の裏側に回ると「マサビエルの洞窟(Grotte de Massabielle)」があった。岩を手で撫でたり、額を押し付けたり、ひざまずいたり、正座して祈る人々の姿。
奇跡の泉はマリア像の下奥にあり、こんこんと水が湧いている。黒光りする岩を無言で一列になって撫でていく。洞窟手前の丸いカーブのついた水場には、泉の水を引いた蛇口が幾つも並んでいて、水を飲んだり、ボトルに汲んだりしている。大聖堂は奇跡の泉の洞窟の上に建っている。
この泉は、14歳の貧しい少女ベルナデットが、ある日薪を拾いに出掛け、聖母マリアを見た。その後何回も聖母は出現し、お告げの通り洞窟近くの地面を掘ると泉が湧き始め、その湧き水によって病気が治癒する奇跡が起きたことに由来する。
それから、この町は世界中から年間600万人が巡礼に訪れ、特に病を持つ人々にとって重要な聖地となっている。
納骨堂
大聖堂
ルルドの泉と大聖堂
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西村晴道(にしむら・はるみち)
1948年、靜岡県生まれ。一級建築士。法政大学工学部建築学科卒。住友建設株式会社入社・退職し、アメリカ合衆国ソービック建築設計事務所短期留学を経て、1984年、西村建築設計事務所開設。現在に至る。ルーテル学院大学第10回リード賞(キリスト教芸術分野)受賞。日本福音ルーテル静岡教会会員。著書に『FINE ROAD―世界のモダンな教会堂をたずねて』(イーグレープ)。
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