南太平洋の島国・フィジー共和国を襲い西へ横断した大型サイクロン「ウィンストン」による被災者を支援しようと、キリスト教会や関連組織が祈りや支援活動を行っている。同国の一部のメディアは、このサイクロンによる死者数が20人を超えたと報じている。
フィジー最大のプロテスタント教派であるフィジー・メソジスト教会のエピネリ・バカデワボサ総幹事は22日、同教会の本部事務所を同日まで閉鎖させ、翌23日に再開するとフェイスブックで発表。同教会の全ての牧師に対し、必要であれば教会堂を同国の国家災害管理局が追加的な救援センターとして利用できるようにするよう求めた。
フィジー政府は、同国の首都・スバがあるビティレブ島の北東に位置するバヌアレブ島南西端、ナボウワル港の防波堤がウィンストンによって破壊され、船による交通が運行を停止し、付近に住む住民の家屋にも被害が出ている様子を撮影。ユーチューブにその録画を投稿した。フィジー・メソジスト教会はそれをフェイスブックで伝えている。
このフェイスブックで同教会はまた、ウィンストンで最もひどい被害を受けた地域の一つである、バヌアレブ島の南にあるコロ島の村々や、バヌアレブ島の南東にあるタベウニ島の堤防が被災した様子の写真を含む英文記事を掲載し、「死者数が増える可能性がある」と記している。
一方、オーストラリアでは、フィジー・メソジスト教会と協力関係にあるオーストラリア合同教会が20日、ウィンストンによる被災者支援のための緊急アピールを公式サイトに掲載し、献金を呼び掛けた。
また、オーストラリアの援助団体「バプテスト・ワールド・エイド・オーストラリア」も、ウィンストンに関する近況を公式サイトで伝えつつ、フィジーの人たちのための祈りとともに、被災者支援のために献金を呼び掛けている。
そして、ニュージーランドでは、キリスト教援助組織「クリスチャン・ワールド・サービス(CWS)」や救世軍が公式サイトで被災者支援のためのアピールをし、募金活動を行っている。
そして、ウィンストンがフィジーの前に通過したトンガ王国に次いで、カトリック教会の国際的な援助・福祉団体「カリタス・インターナショナル」は21日、フィジーでも被災者へ支援の準備を整えたことを発表した。
一方、ナザレン教団アジア太平洋地域は21日、フィジーからの近況を公式サイトで伝え、フィジーの人たちのために「祈るのをやめないでください!」と訴えている。
さらに、カナダ合同教会も21日、公式サイトでウィンストンに関する近況を伝えるとともに、「フィジーのための祈り」という文を掲載し、主の祈りと結び付けて、フィジーのための祈りを呼び掛けている。