昨年、県内にキリスト教が伝えられて400年を迎えたことを記念して、群馬県前橋市の県立図書館は10日から、資料展示「群馬のキリスト教文化」を始めた。内村鑑三や新島襄を含め、県内のキリスト教関係者10人の書籍など133点を展示している。3月23日まで。
同志社の創設者、新島襄(1843〜90)は、現在の同県安中市周辺を領した安中藩の出身。国禁を犯して米国への渡航し、66年アンドーヴァー神学校付属教会で受洗、帰国後の1878年に安中教会を設立している。一方、無教会主義を唱えた内村鑑三(1861〜1930)は、現在の同県高崎市周辺を領した高崎藩の藩士内村宜之の長男として生まれた。
このほか、安中教会の設立に携わった海老名弾正、湯浅治郎、安中教会の牧師であった柏木義円、多数のキリスト教関係の訳本を出版した住谷天来、津田塾大学塾長として活躍した星野あい、キリスト教徒の文学者として知られる山村暮鳥、湯浅半月、磯貝雲峰と、近代群馬を日本での「キリスト教先進地域」とした人物の作品や資料が展示されている。
同館では、県内の郷土資料の重点的な収集・保存・利用提供に努め年4回、テーマを替えて資料展示を開催している。今回は今年度の第4回目の展示。これまで「マザーグースとわらべうた」「雑誌で振り返る昭和」「門外不出の貴重資料」をテーマに開催した。