東洋ゴム工業(大阪市)は25日、防振ゴムのデータ改ざんに関する新たな調査報告書を発表した。発表によると、これまでの調査では今年8月の内部通報で不正が明らかになったとされていたが、約2年前の2013年12月ごろ〜14年1月ごろまでの間に、当時の役員や子会社社長らを含む複数の幹部や責任者14人(うち1人については時期不明)が、不正を認識していた可能性があったという。
また、データ改ざんなどがあった不正品の個数についても、10月末時点では15社向け4万6646個と発表していたが、さらに増えて19社向け4万7330個となった。
調査報告書では、不正行為が行われた主な原因について、1)材料試験の実施者・検査成績書の作成者の規範意識の低さ、2)業務が多忙であるのに対し人員を含むリソースが不足していたこと、3)実現可能な業務工程が設計されておらず、また、社内マニュアルなどが作成されておらず、あるべき業務が明確化されていなかったこと、4)材料試験の実施者・検査成績書の作成者の行動規範を醸成する社内教育の不足、などを挙げた。
東洋ゴムはこの日、防振ゴムの不正に関わる納入実態の修正報告と調査報告書の提出を、国土交通省と経済産業省に行った。
東洋ゴムはこれまでも、07年に断熱パネル、15年3月に免震ゴムで不正が発覚しており、今年10月に明らかになった防振ゴムの不正は3回目の不祥事。今回の調査報告書を作成した外部法律事務所から受けた再発防止への提言を基に、「一連の問題に対する再発防止策」も査定し両省へ提出した。「度重なった不正を全社で反省し、当社に潜在する問題点を正しく認識したうえで、信頼回復に向けて真摯に取り組んでいきます」としている。