2013年9月に起きたJR函館線大沼駅(北海道七飯=ななえ=町)での貨物列車脱線事故について、北海道警は、レールの検査データを改ざんし、国土交通省などの調査を妨害したとして、法人としてのJR北海道と、同社幹部ら社員約20人を22日にも札幌地検に書類送検する。国内各紙が伝えた。
北海道新聞によると、JR北海道本社の工務部幹部は事故直後、現場付近のレールが本来の位置から基準値の19ミリを上回る最大70ミリずれていたという報告を受けたが、「おかしい」などと指摘。その後担当者がデータを改ざんし、ずれを少なくした報告書を提出したが、幹部は報告書をそのまま国土交通省などに提出し、データの改ざんを黙認した疑いがある。
また毎日新聞によると、大沼保線管理室と函館保線所の社員らが事故後、現場付近のレール幅の広がりのデータを、実際は39ミリだったが、25ミリに改ざん。函館保線管理室でも、国土交通省による監査前に、検査データを改ざんしていたという。
JR北海道による虚偽報告については、容疑者不詳のまま、国が14年2月に北海道警に刑事告発しており、北海道警がその後、JR北海道の本社や関係先を家宅捜索するなどして捜査を進めてきた。一方、JR北海道は既に、データ改ざんなどに関わった社員計75人を処分している。
北海道警は、鉄道事業法違反(虚偽報告、検査妨害)と運輸安全委員会設置法違反(虚偽報告)で書類送検する方針だが、毎日新聞によると両法の適用は全国で初めてだという。