東洋ゴム工業(大阪市)は14日、子会社の東洋ゴム化工品(東京都新宿区)が製造・販売している一般産業用防振ゴム部品の一部で、検査成績書への不実記載が行われていた疑いがあると発表した。東洋ゴム化工品では6月、建築用免震ゴムで不正があったことが明らかになり、再発防止策としてコンプライアンスの啓発・推進を行っている中で明らかになったという。不正が確認された製品は8万7804個で、18社に納入されていた。
東洋ゴム工業の発表によると、確認された問題行為は下記の3点。
1)出荷する部品のゴム材料試験を実際には行なっていなかったにもかかわらず、検査成績記入欄に過去のデータを転記、もしくは経験式(計算による算出)で得た数値を検査成績記入欄に記載していた。2)出荷する部品のゴム材料試験を行なったところ、求められる規格値に満たない結果となった試験成績を改ざんし、規格値を満たした数値を検査成績記入欄に記載していた。3)出荷する部品のゴム材料試験を行なっていたものの、納入先様の仕様書で指定されている抜き取り検査数(頻度)を満たさないまま、検査成績を記入していた。
既に該当製品の納入先に加え、国土交通省、経済産業省に報告しており、両省より事実関係を調査し報告するよう指示を受けているという。
東洋ゴム工業では、不正の疑いのある過去10年間に製造・販売した計1841品番(2494万3717個)の製品を対象に調査を実施。これまでに、189品番(8万7804個)で問題行為があったことが確認されたという。問題行為のあった東洋ゴム化工品・明石工場では、該当製品以外の防振ゴム分野の製品にも対象を広げて調査を行ったが、現時点では問題行為は確認されていないという。
東京ゴム工業では、この問題についての相談窓口(フリーダイヤル:0120・108・656、平日午前9時〜午後8時)を設置し、問い合わせに対応する。
一般産業用防振ゴム部品:主に船舶のエンジン駆動部の振動吸収、鉄道車両や産業機械の振動緩衝を目的として、ゴム材料と金具を一体加工し、製品化した防振ゴム部品。