米テキサス州ダラスに拠点を置く有名なキリスト教青年団体の一つ「ティーン・マニア・インターナショナル」は17日、約30年のミニストリーを経て、経済的な苦難のために運営をやめることを発表した。
「ケイティと私はこの働きが終わりに近づいたと感じており、このビジョンのために集まってくださった方々を通して、主がなしてくださったことに感謝しています。私たちは共に多くのリスクを取り、多くの山に登り、多くの巨人を倒しました!」とティーン・マニアの設立者ロン・ルース氏は、公式ウェブサイトに投稿した。
ティーン・マニアは1986年にルース氏が、「この世代にアプローチし、インスパイアすることで世界を変える」ために始めた。1991年、ティーン・マニアは高い技術と影響力を持つ賛美とセミナーを通してティーンエイジャーにアプローチする「アクワイヤ・ザ・ファイアー」という働きを始めた。この働きによって、何百万人もの支持者と金銭を得た。
米クリスチャニティ・トゥデイ誌の記事の引用元によると、ティーン・マニアは2001年度の総収入が2310万ドル(約28億円)を記録し、その後2007年度には3560万ドル(約43億円)にまで上った。
しかし、記事によると、団体に不満を持つ寄付者が600万ドル(約7億3千万円)の献金の予約をキャンセルした結果、2008年度には総収入が2010万ドル(約24億円)に落ち込み、衰退のスパイラルが始まった。10月、キリスト教雑誌『ワールド』は、ティーン・マニアがキリスト教児童支援団体「コンパッション・インターナショナル」との約17万4千ドル(約2113万円)をめぐる訴訟を含む複数の訴訟を抱えていると報じた。ティーン・マニアは外部の理事の半数を失っており、ルース氏はコロラド州地方裁判所の裁判に出頭しなかったために逮捕状を請求されている。
コンパッション・インターナショナルとの訴訟について、ルース氏は取材に対し、「私たちは、彼らに関係する全てを解決しようと全力を尽くしています。・・・私たちはコンパッション・インターナショナルと共に10年以上働いてきました。私たちは、彼らが素晴らしい団体なのを知っています。私たちは、状況が今のようになったことを非常に悲しんでいますし、平和的に解決できることを望んでいます」と語った。
ワールドによると、ティーン・マニアの発表に先立ち、NPOの格付けサイト「チャリティー・ナビゲーター」がティーン・マニアが含み損520万ドル(約6億3千万円)あるとし、支払い不能のNPOの5位にランクづけた。
17日のティーン・マニアの発表では、破産裁判所に申し立てをする予定としている。
「牧会的な指導者、ティーン・マニアの理事と法律顧問の助言を受け、この状況を終結させるのに最善の方法は、売り主の必要を満たすため、ミニストリーの持つ全資産を清算することだと判断しました。ティーン・マニアがオクラホマ州で設立されたことから、正しい手続きと清算手続きを集中させるために、オクラホマ州北部地域破産裁判所で破産手続きを行うこととしました」
「私たちがいったん公のミニストリーから退く上で、神が備えている次の役割を主に求めるつもりです。30年以上のミニストリーの後、霊的、身体的双方の回復のミニストリーで支え、またケイティと私の次の召しのために、主に聴くことを助けてくださっている私たちの牧師ロバート・モリス師とゲートウェイ教会に感謝します。30年以上にわたり、多くの魂が主に触れられるのを見るために共に働き、祈ってくださった皆様、また私たちの将来のために祈ってくださる皆様に感謝いたします」と、ルース氏は発表の最後につづった。