デジタル機器に使われる電子部品「コンデンサー」の販売価格をめぐって、カルテルを結んでいたとして、公正取引委員会は独占禁止法違反(不当な取引制限)で、日本ケミコン(東京)、ニチコン(京都)、NECトーキン(宮城)、ルビコン(長野)、松尾電機(大阪)の5社に対して、総額約67億円の課徴金を命じる方針を固めた。読売新聞などが24日報じた。
同紙が関係者の話として伝えたところによると、カルテルが結ばれていたのは、2種類のコンデンサー。1つは、テレビや自動車に使用されるアルミ電解コンデンサーで、もう1つは、携帯電話やデジタルカメラなどに使われるタンタル電解コンデンサー。
アルミ電解コンデンサーについては、日本ケミコン、ニチコン、ルビコンなど4社が、2010年2〜11年11月にそろって値上げした。円高により輸出による利益確保が難しくなったためだという。
一方、タンタル電解コンデンサーについては、ニチコン、NECトーキン、松尾電機など4社が、10年6月〜11年10月にそろって値上げした。原材料費の高騰を受けてだという。
朝日新聞によると、2つのコンデンサーの2013年の国内生産額は約1300億円で、5社が大部分を占める。世界でも日本メーカーが世界シェアの3〜4割を占め、今月に入って米国や台湾でも、一部の日本企業に対し、価格調整があったとして罰金を科すとする発表があったことを伝えている。
読売新聞は、公正取引委員会がこれら5社を含む7社について独占禁止法違反を認定し、5社に対して課徴金を科す方針と伝えている。一方、時事通信は、公正取引委員会がこれら5社を含む6社に対して、再発防止を求める排除措置命令を出す方針と伝えている。
課徴金額については、読売新聞と時事通信は計約67億円と伝えているが、朝日新聞と日本経済新聞は、計約70億円と伝えている。