リゾート地ニセコに近い北海道蘭越町にある秘湯「新見温泉」が2016年3月で閉館するという。広島県から入植した新見直太郎さんが明治41(1908)年に泉源を発見し、同45(1912)年に湯宿を始めた。創業103年の歴史があるが、後継者が見つからず継続を断念したという。北海道新聞が伝えた。
新見温泉は、ニセコ連峰の目国内(めくない)岳中腹にあり、「新見本館」と「新見温泉ホテル」の2軒の湯宿が隣接してある。どちらも新見さんの一族が経営している。同紙によると、秘湯ブームとなった1990年代前半の最盛期には、2つの施設で年間宿泊客数が約1万5千人にもなった。ブーム後も固定客が新見温泉を支えたが高齢化が進み、さらに後継者も見つからないため閉館を決めたという。ただし、「温泉を活用してくれる企業が現れないか」とも考えているという。
札幌近郊の温泉情報を提供しているサイト「湯めぐり札幌」は10月末、サイト閲覧者から新見温泉閉館の知らせがあった伝えている。同サイトの編集部が新見本館と新見温泉ホテルに問い合わせても、ともに2016年4月以降は営業しないという内容の返答をもらったという。
北海道新聞によると、新見本館は来年3月26日、新見温泉ホテルは同31日で閉館する。
JR函館本線・蘭越駅から車で約15分。湧出量は毎分300リットルと豊富で、「湯めぐり札幌」によると、良質な温泉は、神経痛、リウマチ、喘息、胃腸病などに効果があり、開湯以来日本全国から多くの湯治客が訪れているという。