英インディペンデント紙(電子版)は27日、米アップル(Apple)が、「iPhone 8」から新しい技術のディスプレイ、有機ELディスプレイ(OLED)を採用する見込みで、これによりバッテリーの持ちの大幅な改善が期待されると伝えた。
日本経済新聞の英字媒体「日経アジアンレビュー(Nikkei Asian Review)」(27日付)によると、韓国のLGディスプレイの取締役会は26日、2018年から iPhone でOLEDが採用されるのを見越して、iPhone 用の中小型サイズのOLED製造に向けた新工場を建設することを決定した。インディペンデント紙は、iPhone の新モデルと「S」が付くその後継モデルが1年ごとに出ていることから、18年に発売される iPhone を「iPhone 8」と予想して伝えている。
またインディペンデント紙は、OLEDは主に黒色でディスプレイを表示させた方が効果的に利用できることから、白を多用しカラフルな色使いの現在の iOS を、より暗目のデザインへ変更する可能性が高く、そのために iOS の根本的な再デザイン化も予想されるとしている。
現在販売されている Apple Watch は、アップルが公式には発表していないものの、OLEDが採用されているとみられている。Apple Watch は黒を基調としたデザインとなっており、同紙は、iPhone でOLEDが採用された場合、黒を基調とした新 iOS となる可能性があるとみている。また、新 iOS のデザインは、現在の Apple Watch のデザインを基に設計されるのではないかと予想している。
日経アジアンレビューによると、LGディスプレイは、韓国北西部の坡州(パジュ)にある生産基地内にOLED用の新しい工場を建設する。早ければ17年末にも稼働する見込みで、投資総額は数年間で80億ドル(約9800億円)に上るという。
LGディスプレイはこれまで、テレビ用の大型OLEDに投資してきたが、今後は需要増が予想されるスマートフォンや自動車で使用される中小型OLEDへ移行すると見られているという。さらに、アップルの供給会社の一つでもあるLGディスプレイは、投資先を液晶ディスプレイ(LCD)からOLEDへ移行しているという。
中小型OLEDの世界市場は現在、韓国のサムスン電子が9割近くのシェアを占めている。サムスン電子は今年4月、韓国内で新しい製造ラインを稼働させ、中国の華為技術(ファーウェイ)など、他社へのOLED販売枠を増やしつつあるという。さらに、日経アジアンレビューは、iPhone 用のOLEDの供給について、サムスン電子とアップルが既に協議に入っていると伝えている。