ビリー・グラハム牧師(96)による「迫害に備えよ」と題した文章(英語)が最近、ビリー・グラハム伝道協会(BGEA)の公式サイトで公開された。
世界的な伝道者として知られ、BGEAの創設者でもあるグラハム牧師によるこの文章は、10月22日にBGEAの公式サイトに掲載された。文章自体は1957年に執筆されたものだが、「今日、その言葉は今まで以上に真実味をもって響く」として、BGEAの機関紙『ディシジョン』11月号に再掲載されたものだ。
グラハム牧師はこの文章の中で、米国の教会は迫害になじみがないと述べ、「総じてこの国は窮乏を知りません。犠牲が何かを知りません。苦しみが何かを知りません。他の国にあるように、米国の教会に迫害が来ることを想像してみてください」と問い掛けている。そして、「私たちはこの国で宗教的な迫害をほとんど経験していないので、圧力がかかれば、多くの人がキリストを否定するかもしれません。信仰を最も大きな声で叫ぶ人々が、最も早く屈服するでしょう」と述べている。
その上でグラハム牧師は、「その日にも固く立てるようにあなたを守る5つの方法」のリストをつづった。その5つとは、神との関係を確実にすること、神と共に歩むこと、定期的に聖書を読むこと、いつも祈ること、キリストについての静思の時を持つことだ。
「今日、この国は地上で最も大きな権力を持つ国とされています。しかし、もし私たちが全能の神の代わりに武力に信頼を置くなら、その対立は恐らく、私たちに不利に働くでしょう」とグラハム牧師は述べ、「歴史と聖書は、技術や物質の力は、大きな危機の際には無力だと語っています」と指摘した。
何年もの間、特に社会的に保守の立場にある人たちは、米国が徐々にキリスト教を軽んじていると論じてきた。彼らは公有財産にある降誕の情景や十戒に対する検閲、またメディアが世俗主義に傾いていることを指摘している。
グラハム牧師の息子であるフランクリン・グラハム牧師もここ数年、米国内でキリスト教徒に対する敵意が強まっていることを公然と批判している。10月初旬には、オレゴン州ローズバーグのアンプクア・コミュニティー・カレッジでの銃撃事件について、自身の見解をフェイスブックに投稿した。
この事件では、クリス・ハーパー・マーサー容疑者が学生に発砲し、9人を殺害、7人を負傷させた上、自殺した。当初の報道では、マーサー容疑者はキリスト教徒の学生を特に標的としたと報じられた。
フランクリン牧師は、「迫害やクリスチャンを標的とするのは、イランや中東地域だけの問題ではなく、現にここ米国にもあるのです」と指摘。「アンプクア・コミュニティー・カレッジで、立ち上がり自分をイエス・キリストに従う者だと述べた力強い魂は、何の憐(あわ)れみもなく野蛮にも銃に倒れました。イエスは、『世があなたがたを憎むなら、あなたがたを憎む前にわたしを憎んでいたことを覚えなさい 』(ヨハネ15:18)と語りました」などと述べていた。