マツダ(広島県府中町)は16日、エンジンを始動させる電気装置(イグニッションスイッチ)に不具合があったとして、「デミオ」や「ファミリア」など全21車種約92万台のリコールを国土交通省に届け出た。届出によると、不具合件数は36件で、これまでに火災13件が発生。けが人はないという。
リコールの対象車は、1989年1月から2005年12月に製造された「デミオ」や「ファミリア」など21車種92万2672台。原因と不具合についてマツダは、「イグニッションスイッチにおいて、スイッチ内部の接点に過剰な量のグリスが塗布されたため、スイッチ操作時に発生するアーク放電の熱によりグリスが炭化して可動接点と固定接点間に堆積し、スイッチ内部の絶縁性が低下することがある。そのため、そのまま使用を続けると接点間が導通してスイッチが発熱、発煙し、最悪の場合、火災に至るおそれがある」と説明している。
今回のリコールでは、不具合のあるイグニッションスイッチを対策品に交換する。一方、対策品の準備に時間がかかるとし、使用者に不具合の内容を通知して注意喚起を行い、準備が整い次第、再度入庫通知をするとしている。
不具合は、市場からの情報と国土交通省からの指摘で発見された。対象車の使用者に対してはダイレクトメールなどで通知し、自動車分解整備事業者に対しては、日本自動車整備振興会連合会(日整連)発行の機関誌に掲載して案内する。
リコルールの対象車は、デミオ、ファミリア、ユーノス100、ランティス、MPV、ボンゴフレンディ、クロノス、MS6、MX6、クレフ、MS8、カペラ、センティア、MS9、プレッソ、AZ3、レビュー(以上、マツダ)、フェスティバミニワゴン、レーザー、フリーダ、テルスター、テルスターⅡ、フェスティバ(以上、フォード)。