横浜市の大型マンションが傾いていることが明らかになった問題で、マンションを販売していた三井不動産(東京都中央区)が16日、謝罪する文書を発表した。三井不動産は、「区分所有者様、ご入居者の皆様には多大なるご心配、ご迷惑をおかけしておりますこと、心よりお詫び申しあげます」としている。
傾いていることが判明したのは、横浜市都筑区の大型マンション「パークシティLaLa横浜」。住居棟4棟からなる最高12階建てのマンションで、うち1棟が傾き、別の棟との間にある渡り廊下で約2センチのずれが見つかった。
マンションは、三井不動産のグループ会社である三井不動産レジデンシャルが販売し、三井住友建設が設計施工した。ただし、問題となっているマンションの杭(くい)工事については、下請けの旭化成建材(同千代田区)が実際の施工を行った。
本来は「支持層」と呼ばれる強固な地盤にまで杭が打ち込まれる必要があったが、これまでの調査では、6本が支持層に到達しておらず、2本も打ち込みが不十分であったことが分かっている。また、旭化成建材はこの杭工事で、施工データの一部を偽装していたことが明らかになっている。
三井不動産によると、三井不動産レジデンシャルは現在、マンションの傾きの発生原因について三井住友建設と共に調査中で、施工記録のデータに偽装があったことは確認されたとしている。一方、なぜ偽装が行われたのかについては現在も調査中だとし、「現時点では不明であり、速やかに解明すべく調査を進めます」としている。