【CJC=東京】国際非政府組織(NGO)「国境なき医師団」(MSF)はアフガニスタン北部クンドゥズで運営している病院が3日、米軍に爆撃されたことについて、独立した国際機関による調査を4日求めた。
MSFのクリストファー・ストークス事務局長は声明で、「攻撃に関与した関係者による内部調査の情報に頼るのでは不十分だ」と指摘、「戦争犯罪があったという確信のもと、独立した国際機関による完全で透明性のある調査を要求する」としている。
空爆は3日、反政府武装勢力タリバンに対するアフガニスタン当局の軍事作戦中に発生。治療を受けていた子ども3人を含む患者10人と職員12人の死亡が8日現在確認されている。
MSFは4日、「病院はもはや機能していない」とし、クンドゥズからほとんどの職員を撤収させたことを明らかにした。職員の一部はクンドゥズの外にある病院で患者の治療に当たっているという。
アシュトン・カーター米国防長官は5日、MSFが運営する病院に対し、米軍が誤爆したことを認めた。カーター長官は声明で「罪のない人が犠牲になったことを心から遺憾に思う」とし、調査結果を早期に示し、必要あれば関係者の責任を問う考えを明らかにした。
バラク・オバマ米大統領は7日、MSFに、「米軍の誤爆により死傷した職員と患者に対し謝罪し、哀悼の意を表し」、透明かつ徹底的な調査を約束した。
MSFは8日、クンドゥズの病院が米軍機の空爆を受けた事件で、職員24人、患者9人の安否がいまだ分かっていないことを明らかにした。空爆当時、病院には職員461人と患者105人がいたという。