正教会の国際人道支援組織である「国際正教慈善協会」(IOCC)は6日、「急速に減衰しつつあるギリシャ経済が同国の銀行の閉鎖を早め、衝撃を受けた何百万もの家族や高齢者たちは貯金や賃金、年金を利用できないままとなっている。同国の金融危機がもたらす不確かな未来によって、ギリシャ国民の間に飢えや貧困の脅威が高まりつつある」と述べて、同国で増大しつつある貧困層への支援活動を拡大すると、公式サイトで伝えた。
50万ドル(約6000万円)の贈与という寛大な支援を、サン・アントニオ・エリア財団が管理するジョン・L・サンティコス慈善財団から得て、脆弱な立場にある家族や高齢者たちの緊急のニーズに応えようと、IOCCは食料援助を増やそうとしている。
「ギリシャの銀行危機は、社会で最も脆弱な人たちの大多数が感じている人間の危機だ」と、サン・アントニオ・エリア財団の会長兼最高経営責任者であるデニス・E・ノル氏は語った。「ギリシャ生まれであった故ジョン・L・サンティコス氏へのささげ物として、ギリシャの金融危機によって最も強い打撃を受けている人たちを援助するために、私たちはIOCCと協力することを光栄に思っている」
IOCCはギリシャの食料品店チェーンと協力し、新鮮な果物や野菜、牛乳を買うことができる食料品カードを受け取れる人たちの数を増やすしつつある。ギリシャでは現在、1000家族以上が、集配所で援助を集めるよりも、ニーズに適した飲食物を買うことのできる、IOCCの食料品カードを受け取っている。地元の農家や製乳業者を支援するために、この食料品カードで購入できる農産物は全てギリシャ産となっている。
この食料品カードのプログラムに加えて、IOCCはギリシャ正教会の人道支援部門である「アポストリ」とギリシャ正教会を通じて、乾燥食品の提供や、一日1200人分の炊き出しを行っており、学校に通う子どもたちが、秋に授業が再開する際必要となる基本的な学用品500人分を提供する。
2012年以降、IOCCはアポストリやギリシャ全国奉仕委員会、そして米国ギリシャ正教会大主教区と協力して、衣料支援や暖房用燃料の支給、農業開発、職業支援プログラムなど、1740万ドル(約21億円)を超える規模の支援で、ギリシャの経済危機に対応してきた。
IOCCは、北中米カノン的合法正教会主教会議の公式人道支援機関。1992年に活動を始めて以来、5億3400万ドル(約648億円)を超える緊急支援や開発援助を、50カ国を超える家族や社会に届けてきた。IOCCは、開発や人道支援・提言活動に携わっている140を超える教会やキリスト教組織からなる地球規模の連合体である「ACTアライアンス」や、世界で最も貧しい人たちや脆弱な立場に置かれた人々の生活を改善するために活動している、宗教団体と非宗教団体からなる連合体「インターアクション」のメンバーでもある。
IOCCによるギリシャへ支援のための献金に関する英文の情報はこちら。