米最大の長老派教会であるアメリカ合衆国長老教会=PC(USA)は、同性カップルも結婚の定義に含めるとする教会規定の修正案を正式に可決した。
PC(USA)は昨年6月の総会で、結婚の定義を「一人の男性と一人の女性」から「2人、伝統的には一人の男性と一人の女性」に修正することを可決した。しかし、正式な決定には、PC(USA)を構成する171中会の過半数の承認を必要としていた。
米FOXニュースによると、この修正第14条F項として知られるPC(USA)の教会規定の改正案は17日、ニュージャージー州のパリセーズ中会が承認したことで、承認中会数が86と半数を超え正式に決定した。施行は6月21日。
昨年の総会では、約7割近い賛成票を得て修正第14条F項が可決されたため、当初から各中会による承認も順調に進むとみられていた。3月第2週の時点で、承認中会数は79、否決中会数は37となっており、残り7中会の承認が必要となっていた。
79の承認中会のうちの一つは、イーストテネシー中会で、テネシー州チャタヌーガで開かれた会議で賛成61・反対56の僅差で可決した。
「私たちのキャンパス・ミニストリーには、教会で傷つけられ、恥をかかされた経験を持つ学生が多く来ます」とテネシー大学のチャプレン、キャリー・エリオット牧師は話す。
「私たちの目標は、彼らにイエス・キリストの愛を分かち合い、彼らがありのまま、そのままで愛され、歓迎されていることを知ってもらうことです」
PC(USA)が同性愛を受け入れるために大きな行動を起こすのは、これが初めてではない。
2010年の総会では、修正第10条a項を可決し、パートナーのいる同性愛者が按手礼を受けることができるようになった。しかし、この修正第10条a項の可決を受け、150以上の教会が離脱した。
保守派の「長老派信徒委員会」の代表カーメン・フォウラー・ラバージ氏は、結婚の定義の改変について声明を発表し、この改変によってPC(USA)は世俗の基準に屈服したと述べた。
「真理を語り、失われた人々を悔い改めに導くためにこの教派が持っていた預言的な声は今や失われました」とラバージ氏。「PC(USA)ができることは、今となってはこの世の声を反映することだけです。この問題についてはっきりと語っている神を誠実に証しするための警告の声を、教会は放棄してしまったからです」