英国に万国本営(国際本部)を置き世界各国で活動する救世軍では、3月最後の日曜日を「子どものための祈祷日」と定めている。今年は3月29日がその日に当たり、世界中の子どもたちを特別に覚えて祈る上で、多くの人々が思いを一つにするため、この日に重点を置くことが勧められている。
「絶えず祈りなさい」(1テサロニケ5:17)の御言葉のもと、全世界共通の祈りの課題として、1)子どもたちに、食べ物、家、きれいな水が与えられるように、2)子どもたちに、安心と安全が与えられるように、3)子どもたちに、健康と十分な医療が与えられるように、4)子どもたちに、十分な教育が与えられるように、5)強制的に労働させられている子どもたちを覚えて、6)子どもたちに、福音を聞く機会が与えられ、神の愛を知ることができるように、の6項目が挙げられている。
救世軍は、世界中で社会福祉や医療活動に取り組み、発展途上国での貧困対策や地域開発などにも携わっている。現在活動している126カ国を、アフリカ、米国&カリブ海諸国、欧州・南アジア、南太平洋&東アジアの5つに分け、それぞれの地域における祈りの課題が、ホームページ上に自由に書き込めるようになっており、祈る人々の助けになるように配慮されている。
また、子どもたち自身が祈りに積極的に加わることができるように、「祈りのパスポート」というパスポート型のリーフレット(日本語・英語)も提供している。さらに、創造的な祈りのアイディアとして、「荷札を使った祈り・・・荷札に祈りの言葉を書き、祈りが世界中を旅して回ることを考える」「祈りの輪・・・グループで輪になって祈りの課題を順番に祈る」「祈りのコンパス・・・北・南・東・西に向かって世界の全ての子どものために祈る」「指を使った祈り・・・5本の指を一つずつ折りながら5つの地域のために祈る」といった具体例を提示している。
今年の子どものための祈祷日はちょうど、イエス・キリストのエルサレム入城を記念した、イースター(復活祭)の一週間前の日曜日である「棕櫚(しゅろ)の主日(枝の主日)」と重なる。救世軍万国本営の青年・子ども担当士官であるジャネット・ロブソン少佐(牧師)は、「イエス・キリストが子どもたちに見出していた価値は、この棕櫚の主日に引用された『あなたは幼子と乳飲み子たちの口に賛美を用意された』という詩編の御言葉に非常に明らかだ」と言う。
救世軍は、「イエスがエルサレムに入った日に、子どもたちが重要な役割を果たしたという事実は、私たちを励ましてくれる。私たちも祈りとできる限りの全ての手段で、子どもたちに対する主の姿勢に倣おう」と呼び掛けている。