【CJC=東京】教皇ベネディクト十六世は10月17日、枢機卿に新たに23人を任命すると発表した。そのうち次期教皇を選ぶ選挙コンクラーベで投票権を持つ80歳未満は18人。就任式は11月24日の枢機卿会議で行われる。
18人は、レオナルド・サンドリ大司教(東方教会省長官)、ジョン・パトリック・フォーリー大司教(エルサレム聖墳墓騎士団団長代行、前広報委員会委員長)、ジョヴァンニ・ラヨロ大司教(バチカン市国委員会議長、バチカン市国行政庁長官)、ポール・ジョセフ・コルデス大司教(開発援助促進評議会議長)、アンジェロ・コマストリ大司教(聖ペトロ大聖堂主席司祭、バチカン市国司教総代理、ファブリカ・ディ・サン・ピエトロ議長)、スタニスラウ・リルコ大司教(信徒評議会議長)、ラファエレ・ファリーナ大司教(バチカン図書館・文書館管理責任者)、アグスティン・ガルシア・ガスコ・ヴィセンテ(スペイン・ヴァレンシア)大司教、ショーン・バプティスト・ブラディ(アイルランド・アルマー)大司教、ルイス・マルティネス・シスタチ(スペイン・バルセロナ)大司教、アンドレ・ヴァン・トロワ(パリ)大司教、アンジェロ・バニャスコ(伊ジェノヴァ)大司教、テオドール・アドリアン・サール(セネガル・ダカール)大司教、オズワルド・グラシアス(インド・ボンベイ)大司教、フランシスコ・ロブレス・オルテガ(メキシコ・モンテレー)大司教、ダニエル・N・ディナルド(米テキサス州ガルベストン=ヒューストン)大司教、オディリオ・ペドロ・シェレル(ブラジル・サンパウロ)大司教、ジョン・ンジュエ(ケニア・ナイロビ)大司教。
イタリア、アルゼンチン、米国、ドイツ、ポーランド、スペイン、アイルランド、フランス、セネガル、インド、メキシコ、ブラジル、ケニアから選出された新枢機卿、11億人の信徒を擁する教会の普遍性を反映した、と教皇は述べたが、アジア太平洋地域からは、1人も任命されていない。
教皇はまた、教会への奉仕において賞賛に値するとして高位聖職者3人と司祭2人を教皇選挙投票権を持たない枢機卿にした。その1人がイラク・カルデア典礼教会のバビロニア大主教エマニュエル三世デッリ総大司教(80)。イラクでは、最近もモスルで司祭2人が誘拐されており、信仰を理由に迫害を受ける同国のキリスト教徒に対する支援の意味を持った任命と見られる。
教皇の枢機卿任命は2005年4月の着座以来2回目。前回は昨年3月で15人を任命した。これで枢機卿の総数は202人となった。教皇選挙の投票権を持つ80歳未満の枢機卿数は、パウロ六世が制定しヨハネ・パウロ二世が引き継いだ使徒憲章「ウニヴェルシ・ドミニチ・グレジス」によると定員120人だが、教皇は暫定措置として1人上回る121人とした。