国際NGOワールド・ビジョン・ジャパン(東京・新宿区、以下ワールド・ビジョン)が19日、設立20周年を迎えた。記念行事として、クリスマスまでに5千人を目標にしたチャイルド・スポンサーの募集キャンペーンや記念本の出版、来年7月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)などに向けたアドボカシー活動などを計画している。
昨年のチャイルド・スポンサー募集キャンペーンでは、当初の3千人の目標を超える3388人のスポンサーが集まった。今年はさらに目標を5千人に上げ、11月からキャンペーン特別サイトを立ち上げるなどしてキャンペーンを実施していく。
20周年を記念した絵本の出版も計画中だ。厳しい状況の中、日々精一杯生きている世界の子どもたちの物語を描く内容となっている。また、来月27日から12月1日には、世界5カ国で5万人以上の心を動かした、アフリカの子ども達の現実を伝える体験型のイベントを日本で初めて実施する。
さらに、来年日本で開催される北海道洞爺湖サミットやアフリカ開発会議(ticad)の成果が、弱い立場の子どもたちを守る内容となるよう、日本政府や市民社会への積極的な働きかけも行っていく計画だ。
ワールド・ビジョンは87年10月、貧困、飢餓、災害、戦禍などで苦しんだり抑圧されている人々が明日を夢見て、希望を膨らませることができる社会の現実を目指して設立された。キリスト教精神に基づき、貧困と抑圧に苦しむ人々と共に働き、人々の物心両面の必要に応えるための全人的な働きを行うことを使命としている。
現在は、日本で3万人以上が参加するチャイルド・スポンサーシップを通して、世界の貧困で苦しむ子どもたちに定期的な健康診断や必要な医薬品を提供するほか、教育、水資源開発、農業支援などの継続的な支援活動を実施し、地域全体の貧困解決に取り組んでいる。