イスラム教過激派組織「イスラム国」がフリージャーナリストの後藤健二さんを殺害したとする動画を公開したことを受け、後藤さんと以前から交流のあった玉川聖学院(東京都世田谷区)は2日、「後藤健二さんの安否の知らせに関して」と題したコメントを生徒・保護者に向けて発表した。
玉川聖学院では、10年前から後藤さんを講師に招き、中学3年生を対象に平和や人権をテーマに、シリアやアフガニスタンなどの子どもの実態について授業を行ってきた。現地の写真や映像を紹介しながら、自分の目で見て行動することの大切さを熱心に話す後藤さんの授業は、生徒の人気も高かったという。毎日新聞の報道によると、後藤さんの突然の事態を受けて、同校では毎朝生徒700人が後藤さんの無事を祈り続けてきた。
コメントで同学院は、「何故このような事態となったのか」「この結末は残念でなりません」と無念さを示す一方で、後藤さんが伝えてくれたメッセージは、「どんなに悲惨な現実があったとしても、それにより怒りや憎悪を膨らませるのではなく、事実を事実として見極めることであり、その中から自分の置かれた場で、平和への道筋を探り出す努力をすることの大切さ」だったとして、「今、あらためてそのことの意味を問い直したいと思います」と述べた。
また、「最も大きな悲しみの中にあるご家族の上に、神様からの慰めがありますように、またこれからの生活が守られますように祈り続けてください」と、後藤さんの家族のために祈るよう呼び掛けた。