神道系の新興宗教団体である「紀元会」(長野県小諸市)の信者ら21人が15日、同団体に所属する63歳女性に集団で暴行を加え、殺害したとして、長野県警によって逮捕された。逮捕されたのはいずれも15〜80歳の女性。女性信者らは団体の施設内で約1時間に渡り、殴る蹴るの暴行を加え続けたという。
殺害されたのは、同団体信者で同市内ですし店を経営する奥野元子さん。調べによると、奥野さんは先月24日午後11時半ころから1時間に渡って、当時会合が行われていたいう施設内で暴行を加えられ、外傷性ショックで死亡したと見られている。同団体創設者の娘で団体幹部である窪田康子容疑者(49)が犯行を主導したと見られている。今回逮捕された21人の内4人が未成年者であった。
事件発生当初は、奥野さんの家族が「自宅で殴った」などと供述していたため、奥野さんの夫ら家族4人が逮捕された。しかし、後になって、団体幹部からうその供述をするように指示があったことを認めた。捜査本部は、奥野さんの生活態度などを巡っての話し合いが暴行の引き金になったとみている。
「紀元会」は1970年(昭和45年)に設立された宗教法人。会員は400人程度と言われており、教祖とされる男性はすでに死亡しているとされている。群馬県内から運んできた水を「あらゆる病気が治る」としてボトル1本数万円で販売し、勧誘に使っていた。