コミュニケーションの権利に基づいて社会正義を促進する非政府組織である「世界キリスト教コミュニケーション協会」(WACC、事務局:カナダ・トロント)のアジア地域(会長:サミュエル・ウィルソン・メシャック牧師・博士)は26日、イスラム国が湯川遥菜(はるな)さんを殺害したとされることを非難するとともに、イスラム国によって今も拘束されている後藤健二さんの解放を要求する声明(英文)を発表した。本紙によるその全文訳は次の通り。
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世界キリスト教コミュニケーション協会アジア地域(WACC−AR)は、イスラム国(ISIS)によって人質に捕われた日本の市民である湯川遥菜氏の残虐な殺害が行われたとされることを、公然と非難する。彼らは今も日本のフリージャーナリストで日本基督教団の教会員である後藤健二氏を拘束している。
去る1月23日(金)に公開された映像で、イスラム国は日本政府が身代金2億米ドルを支払った場合にのみ日本人2人を釈放すると述べた。この要求はかなわず、報道によればそれが湯川さんの殺害につながった。
この拉致と殺害は明らかに人権を侮辱し侵害するものである。身代金を要求するために、無実の市民を交渉の切り札として使ったり、あるいは後で起きたように、2005年にヨルダンで有罪とされた囚人の自爆テロリストとの交換を助長することは、道義的に弁護の余地がない。
日本政府はシリアの危機に直接関わっていないかもしれないが、その一方で、それはイスラム国に対する軍事作戦の先鋒である米国政府の強力な同盟国であることが知られている。
後藤氏は日本基督教団の信心深い教会員である。彼は現場で人々の窮状に焦点を当てたニュースの報道や記事を通じて自らの信仰を実践している。シリアのために、彼はその戦争がとりわけ子どもたちにどのような影響を与えているかを示すことを望んでいた。
彼自身が戦争の被害者であり、人質として捕われ、死で脅かされているとき、彼の人権と表現の自由に対する彼の権利の両方が侵害されているのである。プロのジャーナリストとして、彼は単にこの紛争で捕われた人々が直面している恐ろしい状況について日本人や世界の注意を喚起しようとしていただけなのである。
WACCアジア地域は、後藤健二氏がその家族や愛する人たちとすぐに再会できるように、彼の即時かつ安全な釈放を要求する。WACC−ARのメンバーや協力者たちはまた、中東紛争の永続的な解決を祈ってもいる。