【CJC=東京】イラクの首都バグダッド中心部で10月9日、ドバイに本社を置く豪民間警備会社『ユニティ・リソーシズ・グループ』(URG)の車列から、警備員が付近を走行していた乗用車に少なくとも19発銃撃、イラク人女性キリスト者2人が死亡した。女性はマロウ・アワニスさん(48)とゲネヴァ・ジャライさん(30)と見られる。
マイケル・プリドンURG社長は、乗用車が手信号などによる再三の警告を無視して車列に急接近してきたため発砲した、と述べた。
同社の警備員は米国や英国、オーストラリアなどの特殊部隊経験者らで構成されている。
バグダッドでは9月16日、米国系民間警備会社ブラックウオーターの警備員の発砲で市民ら17人が死亡したばかり。イラク政府報道官はURGの事件について、無実のイラク人に対する過剰な実力行使の新たな例だとコメントした。イラク戦争で協調関係にある米、オーストラリア両国の民間警備会社の発砲による市民の犠牲が相次いだことで、イラク国内の反発が強まるのは必至。
URGは米国際開発局(USAID)からイラク復興事業を請け負っている非政府組織『リサーチ・トライアングル国際研究所』(RTI)の警備を委託されている。
RTIの広報担当者は、事件への関与を否定。URGの車両が事件当時、RTIスタッフの搬送を終えて拠点に戻る途中だったと述べた。