【CJC=東京】同性愛に対する姿勢などをめぐって、米聖公会は分裂の危機にあると報じられているが、同様の動きがアメリカ合衆国長老教会(PCUSA)でも出てきている。AP通信が報じた。伝統派の教会が離脱を計画しており、長老派系でも保守的な福音長老教会(EPC)が受け入れを準備中だという。
保守派の教会誌「レイメン」によると、昨年の総会以来、すでに1万1000の加盟教会の中で離脱を決議した教会が30に上っている。さらに20教会が離脱するともみられている。中には他教派に加盟するのではなく、「プレスビテリアン・グローバル・フェローシップ」や「ニュー・ワインスキンズ・アソシエーション・オブ・チャーチーズ」など、新教派を結成する動きもある。
PCUSAの指導者は、離脱するのはごく一部だと強調する。しかし、そうであってにしても、不動産などの帰属をめぐって訴訟になれば、教会の評判をさらに悪くし、減少続きの教会員がさらに減ることは確かだ。
PCUSAは1986年には信徒数300万人だったが、06年末には227万人にまで減少している。これは財政難に直結し、職員75人の削減を迫られたほどだ。「教会の核心が崩れるわけではないが、問題は深刻で痛みを伴っている」と述べるクリフトン・カークパトリック大会副議長は、保守派からの批判にさらされ、10年以上も続けていた職を来年辞任する。