欧州46ヶ国によって構成される欧州最大規模の人権組織、欧州評議会(CE)の議員会議は4日、天地創造説が「人権に対する脅威」となり得るとして同説を非難する決議案を、48対25の賛成多数で承認した。これに対し、福音派の代表的な神学者である南部バプテスト神学校のアルバート・モーラー学長は、深刻化する「文化の世俗化」を象徴するものだとし、反発の声を上げた。
「教育における天地創造説の危険性」と題された同案は、同評議会が今後、天地創造説を科学的教義として教えることを強く反対するよう求めるもの。同案では、天地創造説は「宗教上の過激主義」によってもたらされたものであるとし、同説の支持者らが「宗教上の教義を強要している」として非難した。
同案では「宗教的信条の問題である『創造』が、ある人々に対しては生きる意味を与えている」としながらも、「我々の教育体制の中で天地創造説が広がることによってもたらされる悪影響の可能性、またそれによる民主主義への影響を懸念している。我々が慎重さに欠ければ、天地創造説は、我々の重要な懸念事項となる人権に対する脅威になり得る」とした。
これに対して、米CNNの看板トーク番組「ラリー・キング・ライブ」や、他の人気ニュース番組に、クリスチャンの声を代表する人物としてしばしば出演もするモーラー氏は、天地創造説が「ある人々に対しては生きる意味を与えている」とする内容に対して、「(少なくとも欧州評議会によって代表される)欧州は、そのキリスト教徒としての記憶さえも忘れてしまっている」と批判。今回の決議は、社会のますます深刻化する世俗化傾向を示すものだとした。