【CJC=東京】モスクワ発AFP=時事通信によると、ロシア正教会は9日、J・R・R・トールキンのファンタジー小説に登場する全てを見通す悪の目をかたどったライトアップを、モスクワの高層ビルで行う計画について、実施すれば災いが起きる恐れがあると警告した。
このイベントは、トールキン作の小説『ホビットの冒険』をピーター・ジャクソン監督が映画化した3部作の最終章『ホビット決戦のゆくえ』の公開を記念し、地元不動産業者が計画しているもの。原作小説の『ホビットの冒険』とその続編に当たる『指輪物語』3部作では、力の指輪を付ける者を見つけるために「冥王」のサウロンが使う「サウロンの目」と呼ばれる巨大な炎の目が登場する。
計画を進める不動産会社ハルズ・デベロップメントの広報担当によると、モスクワでのイベントは、21階建てのビルの上に直径10メートルの球体を置き、背後から光をあてて立体的な視覚効果を作り出す。
ロシア正教会の広報担当フセボロド・チャプリン大主教は「ガバリート・モスクバ・ラジオ」に「これは悪魔のシンボル(象徴)だ」と語った。「街の上にこのような悪の勝利のシンボルが置かれ、市内で一番高所にある物体同然となる。それは善か、悪か。おそらく悪だろう。後になってこの街に悪いことが起きても、驚くべきではない」という。