「その夜をそこで過ごしてから、彼は手もとの物から兄エサウへの贈り物を選んだ。すなわち雌やぎ二百頭、雄やぎ二十頭、雌羊二百頭、雄羊二十頭、乳らくだ三十頭とその子、雌牛四十頭、雄牛十頭、雌ろば二十頭、雄ろば十頭。彼は、一群れずつをそれぞれしもべたちの手に渡し、しもべたちに言った。『私の先に進め。群れと群れとの間には距離をおけ』」(創世記32:13~16)
要するに、ヤコブは恐れているのです。自分は祝福されているという意識をしっかり持つまで、あなたの訓練は続きます。しかし、訓練をいつまでも苦しむ必要はないのです。神様があなたを祝福しておられるので、最後には祝福されるのです。富を得ようと焦ってはいけません。神様にお任せすれば、あなたの必要は満たされるのです。問題があっても焦って自分で解決しようとしてはいけません。神様にお任せするのです。
すべてに時があります。「Good timing」ではありません。「God timing」なのです。「God timing」でヤコブは財産を得ました。「God timing」で彼は自分の国に帰りました。そのように、神様を信じ切れた時に訓練が終わり、その訓練を乗り越えたあなたを、神様は用いられます。神様があなたを、日本の、世界のリバイバルのために用いようとされているのに、あなた自身が神様を疑ってはいけません。神様のことを疑っているのに、どうして問題が解決されますか。
例えば、あなたが結婚を考えているとします。あなたが神様を信じ切っているなら、神様を信じる人が共に歩んでくれます。しかし、あなたが神様を信じ切っていないなら、その人はあなたについてこないでしょう。あなたが神様を見上げているなら、あなたが他に何も持たなくとも、同じように神様を見上げていく人が、あなたについてきます。これは、あなたが整えられている人かどうかとは関係ありません。神様を信頼するということは、何かを持つことではありません。何も持たなくとも、神様の約束だけを信じて生きていくときに、祝福の出来事が起こるのです。
ヤコブはカナンの地に入りました。そのあと、息子ヨセフがエジプトに行きます。
「ヨセフがエジプトへ連れて行かれたとき、パロの廷臣で侍従長のポティファルというひとりのエジプト人が、ヨセフをそこに連れて下って来たイシュマエル人の手からヨセフを買い取った」(創世記39:1)
ヨセフはラケルの子ですから、ヤコブにとってはかわいくて仕方がありませんでした。しかし、ヨセフは夢を見て自慢話をするので、兄たちに嫌われてしまいます。そして、兄たちに売られ、一族より先にエジプトに行くのです。それは、神様がアブラハムに言われたことが成就するためでした。いったん、エジプトに一族は行かなくてはいけません。飢饉が移住のきっかけになりました。
「ヤコブはエジプトに穀物があることを知って、息子たちに言った。『あなたがたは、なぜ互いに顔を見合っているのか。』そして言った。『今、私はエジプトに穀物があるということを聞いた。あなたがたは、そこへ下って行き、そこから私たちのために穀物を買って来なさい。そうすれば、私たちは生きながらえ、死なないだろう』」(創世記42:1、2)
飢饉が起きたからエジプトに食料を買いに行きなさいという話から、エジプトに行かなければならないと話が変わっていくのです。移住が始まります。
「ヤコブに属する者、すなわち、ヤコブから生まれた子でエジプトへ行った者は、ヤコブの息子たちの妻は別として、みなで六十六人であった。エジプトでヨセフに生まれた子らはふたりで、エジプトに行ったヤコブの家族はみなで七十人であった」(創世記46:26、27)
その70人から子孫が増えて400年の間に200万人、300万人になり、祝福を受け取るためにエジプトから出ていくのです。ヨセフが死んだあと、奴隷となり、そして解放され、カナンの地へと戻っていくわけです。これはすべてアブラハムが祝福を受け取らなかったために、イスラエルの民が400年後、約束の地へと帰っていくことです。
聖書は私たちに、祝福を受け取りなさいと教えます。そうすれば、あなたの人生は変わるのです。(終)
◇
徐起源(そう・きうぉん)
ERM聖書学校校長。恵那クリスチャンセンター(岐阜県恵那市)牧師。恵那レーマミニストリー代表、愛知県一宮市の超教派聖会「ワールド・リバイバル・カンファレンス」の理事・講師を務めるなど、その活動は多岐にわたる。同校本部の岐阜県恵那市に加え、京都、岡崎(愛知)、沖縄、立川(東京)など全国数カ所で聖書学校、聖会をおよそ月1回のペースで行っている。インターネット聖書学校、通信聖書学校等も現在開講中。※画像は恵那レーマミニストリーのロゴ。
■ 外部リンク:
【Ustream】毎週日曜日10:30からメッセージ配信中!
【ERM教材・書籍案内】「信仰の使い方をご存知ですか?(上)(下)」「あなたは神の義をいただいていることをご存知ですか?」