市場リサーチで考えるなら、キリストを信じていない九十九パーセントは、大きな市場であり、チャンス到来ということになる。
こんな話がある。あるアメリカの靴会社のセールスマンが、アフリカに派遣された。彼はアフリカに着くなり本社に電報を打った。「当地に靴を履く習慣はないので、すぐ帰国します」と。次に派遣された社員もすぐ電報を打ち、「アフリカに靴を履く習慣はないので、大量に靴を送ってください」と伝えた。
日本はプロテスタント宣教一四〇年になる。クリスチャン人口が増えず、一九九七年度の統計によると、プロテスタント約六十万、カトリック四十万、合わせても一〇〇万人だ。しかもリサーチによれば、プロテスタント六十万人のうち、礼拝に出席するのはわずか二十六万人。韓国には一つの教会だけで七十万人が出席する教会があり、日刊新聞を一〇〇万部発行していると言う。
日本の伝道が難しいと嘆くのは、セールスマンに比すれば、「靴を履く習慣なし。すぐ帰る」と打電した負け犬と同じだ。イエス様は、「収穫は多いが働き人が少ない」と言われた。「靴を履く習慣なし。すぐ靴を送れ」と言うチャレンジ精神が、日本のキリスト教会にみなぎりあふれる時が、近づいている。
すべてのクリスチャンが、イエス・キリストのセールスマンとなり、一億三〇〇〇万の同胞に十字架の福音を伝え、さらには全世界に出ていって、すべての造られた者に福音を伝えていきたいものである。
(C)マルコーシュ・パブリケーション
榮義之(さかえ・よしゆき)
1941年鹿児島県西之表市(種子島)生まれ。生駒聖書学院院長。現在、35年以上続いている朝日放送のラジオ番組「希望の声」(1008khz、毎週水曜日朝4:35放送)、8つの教会の主任牧師、アフリカ・ケニアでの孤児支援など幅広い宣教活動を展開している。
このコラムで紹介する著書『天の虫けら』(マルコーシュ・パブリケーション)は、98年に出版された同師の自叙伝。高校生で洗礼を受けてから世界宣教に至るまでの、自身の信仰の歩みを振り返る。(Amazon:天の虫けら)