ノーベル平和賞受賞者のデズモンド・ツツ元ケープタウン大主教やカーター元米大統領らは2日から4日まで、紛争が続くスーダン西部のダルフール地方を訪問し、ユスフ・ケビール北ダルフール州知事の他、紛争で追いやられた難民や現地で活動するNGO団体などと会談した。
今回の訪問は、世界各地で発生する紛争の解決を支援するため、ネルソン・マンデラ元南アフリカ大統領とノーベル平和賞受賞者らによって始められた著名な政治家らによるグループ「エルダーズ(The Elders)」の活動として行われ、同グループ初の活動となった。代表を務めるツツ元大主教は北ダルフール州の州都エルファシェルに到着した際、「我々は観光をしに来たのではない。(訪問によって)何らかの重要な変化を起こし、平和をもたらせることを願っている」と語っている。
訪問にはツツ元大主教、カーター元大統領の他、マンデラ元大統領の妻グラサ・ミシェルやヴァージン・グループの創設者である英国人実業家のリチャード・ブランソンらが参加。今月末に国連・アフリカ連合の合同平和維持軍が派遣されるのを前に、同国で09年に予定されている選挙が自由かつ公正な民主主義に基づく選挙になるよう、また隣国スーダンとの平和的交渉が進展するよう働きかけた。
ダルフール地方では紛争が本格化した03年以降、20万人以上が殺害され、250万人以上が避難生活を強いられていると言われている。04年には10万人以上の難民が国境を越え隣国チャドに流れ込み、紛争は国際的な問題に発展。先月30日には、アフリカ連合の平和維持軍が攻撃され死者10人、多数の負傷者が発生した。