教会離れが深刻化している英国で、受洗者数が過去15年で半減し、幼児洗礼を受ける子どもの割合も現在では6人に1人まで減少していることがわかった。英国在住邦人を対象とした情報誌「ジャーニー」(電子版)が伝えた。
同誌によれば、1990年の英国での受洗礼者は18万4千人であったが、15年後の05年には9万3千人とほぼ半減した。一方、幼児洗礼を受ける子どもの割合も、1930年代前半には子ども全体の約70パーセントにまで及んだが、1980年代前半には30パーセント強、05年には15パーセント強まで減少した。都市部ではより減少傾向が深刻化しており、ロンドンやバーミンガムなどでは幼児洗礼を受ける子どもは10人に1人にまで減っているという。
これを受けて、英国国教会では幼児洗礼を薦める内容などが記されたガイドブックを各教会に配布するなど対策に乗り出している。ガイドブックでは、幼児洗礼を「両親の関係が社会的に認識される初めの機会」とし、これを通して結婚の意義を広めることなどができるとしている。
一方、英国では牧師の数も減少している。英国国教会ではフルタイムで奉仕する牧師がここ数年で毎年約100人の割合で減少しており、10年後には英国内の牧師が7千人前後となるという予想が出されている。