【CJC=東京】米聖公会はルイジアナ州ニューオーリンズで開催した主教議会で9月25日、同性愛者主教任命と同性カップル祝福の中止を決めた。同聖公会も構成者となっている世界聖公会共同体(アングリカン・コミュニオン=信徒総数7700万人)からの要請を受け入れた形。
同性愛者をどう教会が受け止めるかの問題で、世界の教会の姿勢はさまざま。米聖公会では、公然同性愛者の主教任命を承認、また同性カップルの結合を教会として祝福することを認めるなど、指導部がリベラルな姿勢を示す中、信徒は賛否両論で分裂、さらに世界聖公会共同体も分裂の危機にさらされた。
分裂を回避するため、世界の聖公会指導者は、米聖公会が同性愛者に対する自由な姿勢を変えない限り、米側とその他の聖公会の関係に傷がつく、と警告し、9月末までに、態度を明確にするよう求めていた。
ただ今回の意志表示で問題が解決したわけではない。キャサリン・ジェファーツ・ショーリ米聖公会総裁主教は「(2009年の)総会では間違いなくこれらの件が再度議論されるだろう。今回の解決策は妥協の産物で、完全に納得している者はいない。ただ、皆が結束できる地点を見つけたとは思う」と語った。